大臣会見

斉藤大臣会見要旨

2024年8月30日(金) 11:20 ~ 11:35
国土交通省会見室
斉藤鉄夫 大臣

主な質疑事項

冒頭発言

(大臣から)水循環基本計画の変更について

(大臣)

本日の閣議案件で、水循環政策担当大臣として、私から1点報告があります。
4月2日に開催された水循環政策本部会合において、水循環基本計画を改定するよう総理から指示がありました。
これまで検討を進めてきたところですが、本日、新たな水循環基本計画が閣議決定されるとともに、主要施策の工程表が本部決定されました。
今後、新たな基本計画と工程表の下で、関係省庁が一体となり、水に関する様々な施策を効果的に推進してまいります。
国土交通省としても、上下水道システムの急所となる浄水場や基幹管路などの最重要施設や、避難所などの重要施設に係る上下水道管の耐震化の推進、上下水道におけるDX技術の導入、ウォーターPPPの具体化、2050年カーボンニュートラルに向けた水力エネルギーの最大限活用を中心に、関係施策を進めてまいります。
また、流域の関係者が協働した「流域総合水管理」の取組を、全国109の一級水系全てで、各水系の特性を踏まえつつ、順次、取り組むこととしています。
詳細は後ほど事務方から説明させます。

(大臣から)第10回日中韓観光大臣会合の開催について

(大臣)

このほか、私から2点報告があります。
1点目は、来月10日(火)から11日(水)にかけて、兵庫県神戸(こうべ)市にて開催する予定の「第10回日中韓観光大臣会合」についてです。
この会合は、日本、中国、韓国の三国間の観光交流と協力の一層の強化などを目的に、三か国の観光担当大臣が集まって協議を行うもので、2006年から開催されています。
前回の2019年の韓国での開催以降、コロナの影響などの理由から開催の延期が続いていたところ、今回は実に5年ぶりの開催となりました。
また、この機会に併せて、中国及び韓国それぞれとの二国間会談も予定しており、二国間の観光交流の現状や今後の取組の方向性などについて、協議を行います。
今回の大臣会合や二国間会談等では、日中韓三か国における観光交流の促進のための有意義な議論が行えることを期待しています。
後ほど資料を配付します。詳細は事務方にお問い合わせください。

(大臣から)完全キャッシュレスバスの実証運行の実施路線の選定について

(大臣)

2点目は、完全キャッシュレスバスの実証運行についてです。
減便や路線廃止が相次ぐなど厳しい経営環境にあるバス事業において、運賃の支払に現金を全く使用しない「完全キャッシュレスバス」の推進は、現金の管理コストや運転者の負担の軽減といったバス事業者の経営改善、定時運行の確保といった利用者の利便性向上、さらにはバスネットワークの維持充実に資する観点から、有効な取組であると考えています。
一方で、完全キャッシュレス化への移行にあたっては、何よりバス利用者の理解を得ることが重要であると考えています。
このため、まずは実証運行を進めることとし、今般、事業者の申請に基づき、実証運行を実施する18事業者29路線を選定したところです。
11月1日以降、順次運行が開始される予定です。
国土交通省としては、バス路線が将来にわたって維持され、利用者にとって利便性の高い公共交通機関であり続けられるよう、今般の実証運行の効果検証を行い、本格運行へのつなぎとしていきたいと考えています。
後ほど資料を配付します。詳細は事務方にお問い合わせください。私からは以上です。

質疑応答

台風10号について

(記者)

台風第10号の被害状況と、国土交通省の対応について教えていただきたいと思います。

(大臣)

まず、この度の台風第10号の被害によって、お亡くなりになられた方とその御家族に対し、心からお悔やみ申し上げます。
また、被災された全ての方々にお見舞いを申し上げます。
台風第10号は、29日に鹿児島県に上陸しました。
今後、西日本を東に進むと予想されていますが、予測の不確実性が大きいことから、最新の台風情報の活用をお願いします。
被害状況ですが、これまでに、宮崎県などで13件の土砂災害、大分県などの県管理河川における浸水、鹿児島県や大分県等における断水、鹿児島県や宮崎県における漁船等の沈没などの被害が報告されています。
また、本日の朝、神奈川県伊勢原(いせはら)市内の国道で土砂崩落が発生し、一般車が複数台巻き込まれているとの報告も受けていますが、詳細は確認中です。
交通への影響については、高速道路等の通行止めや鉄道の運転見合わせ、航空便の欠航などが発生しており、今後さらなる影響も予想されます。
次に国土交通省の対応ですが、国土交通省では、28日に国土交通省特定災害対策本部を設置し、私から省内各部局に対し、防災情報の適時的確な提供、自治体への迅速かつ積極的な支援、被害状況の迅速な把握などを指示したところです。
国土交通省としては、これを踏まえ、これまでに、記者会見などを通じた国民の皆さまへの前広な情報提供や注意喚起、交通事業者に対し、運休などの情報について、利用者への早めの提供の依頼、自治体とのホットラインの構築、リエゾンや気象庁防災対応支援チーム(JETT(ジェット))、TEC(テック)FORCE(フォース)、災害対策車両の派遣、台風の影響が想定される船舶への安全な海域への避難の勧告を行うなどし、被害の防止や自治体への支援、被害の全容把握などにあたっています。
引き続き、地域に寄り添いながら、現場力を最大限発揮し、全力で対応してまいります。
台風の動きが遅いことから、大雨などの影響が長期に、そして広範囲に及ぶおそれがあり、今後も厳重な警戒が必要です。
引き続き、気象台や地元自治体から発表される気象情報や避難情報、交通事業者の運行情報などを確認いただき、早め早めの行動をとっていただくようお願いします。

封印取付け受託者の不適切な取扱いについて

(記者)

8月9日に当局から車の封印の不正案件について、行政処分が発表されました。
アンケートの件数より151者という大きな数になっております。
これについての所感と再発防止をお願いします。
一言添えさせていただくと、3月に旭川(あさひかわ)トヨタでこの封印問題、ある地域のある1者の出来事だと最初は思っていたのですが、大臣から徹底的に原因究明をして対応していくとおっしゃっていただいた一言で、全国のディーラーの背筋が伸びて、結果的には全国規模で広範に不正が行われていたことが判明しました。
改めて感謝申し上げます。

(大臣)

旭川の自動車ディーラーにより、ナンバープレートの封印業務に不適切な取扱いがあったことを踏まえ、本年4月より、全国の封印取付け受託者に対して、封印業務の実態に係る調査を行ってまいりました。
この結果、道路運送車両法に違反する不適切な取扱いとして、使用済み封印の再利用、届出をしていない事業場における、また封印取付け担当者などとして選任されていない者による封印取付け行為、新規登録をした自動車への封印取付けの未実施、が確認されました。
これを受け、8月9日に、不適切な取扱いがあった事業者のうち、特に悪質な事業者4者に対して、封印取付けの委託解除をするなどの厳正な対応を行ったところです。
今後、国土交通省としては、事業者に対する適切な封印取付け業務の指導・教育の充実、事業者ごとに置く封印取付け責任者を通じた監督の強化、などを検討し、再発防止を図っていく決意です。しっかり対応してまいります。

北陸新幹線の延伸について

(記者)

整備新幹線についてお伺いします。
28日に与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームが北陸新幹線(敦賀(つるが)-新大阪間)について、小浜(おばま)・京都ルートでの来年度内の認可・着工を着実に進めるよう政府に申し入れる決議を行いました。
これに対する大臣の受け止めをお願いしたいのが1点と、決議の中に「費用対効果のあり方について検討を行うこと」という項目が含まれています。
本日も台風で東海道新幹線の運転見合わせ等がありますけれど、今回の「敦賀-新大阪」については東京から新大阪までの全線開業させる最後の1ピースということで、こういうことを加味した費用対効果の検証が必要ではないかという意見もありますが、大臣の見解をお願いします。

(大臣)

北陸新幹線(敦賀-新大阪間)について、28日(水)に、与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームにおいて、新規着工のための事項要求や、関係者への丁寧な説明、費用対効果のあり方の検討などを政府に申し入れる決議がなされました。
北陸新幹線は、地方創生や国土強靱化などの観点から大変重要であり、いただいた決議も踏まえ、令和7年度予算概算要求において、北陸新幹線(敦賀-新大阪間)の新規着工に要する経費について事項要求を行うほか、年末までの詳細な駅位置・ルートの絞り込みに向け、沿線自治体の皆さまの御理解を得られるよう、鉄道・運輸機構とともに丁寧に説明してまいります。
また、費用対効果については、いわゆる着工5条件の1つであり、今後、詳細な駅位置・ルートに応じた需要予測を行った上で算定することとなりますが、費用対効果のあり方については、与党の御議論も踏まえながら、引き続き、検討を深めてまいります。
国土交通省としては、今般の決議や、今後の与党における御議論も踏まえながら、引き続き、一日も早い全線開業に向けて、丁寧かつ着実に取組を進めていきたいと考えています。

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