大臣会見

斉藤大臣会見要旨

2024年9月6日(金) 11:23 ~ 11:37
国土交通省会見室
斉藤鉄夫 大臣

主な質疑事項

冒頭発言

(大臣)

本日の閣議案件で、特に私から報告するものはありません。

質疑応答

JR北海道の黄8線区の実行計画等について

(記者)

2問まとめてお伺いします。
1問目は、JR北海道が単独では維持困難とする赤字8区間を巡り、地元自治体と連携して2024年度から26年度に取り組む収支改善の実行計画を発表しました。
国はJR北海道に対し、経営改善の監督命令を発出し、26年度までに線区ごとに抜本的な改善方策を確実にとりまとめることを求めています。
今回とりまとめられた実行計画についての大臣の見解をお聞かせください。
もう1問は、JR北海道は26年度までに国や沿線自治体と維持費分担の議論に入ると明言しました。
8区間の中には特急や貨物列車の走る幹線も含まれています。
同様の長大路線は本州でも巨額の赤字を計上しています。
人口減が進む中、国として幹線の維持のあり方についてどのように考えているのかお聞かせください。

(大臣)

まず前段の御質問ですが、JR北海道が、経営自立を図りつつ、北海道における基幹的な公共交通サービスを提供していく上で、いわゆる「黄線区」、先ほど御質問にありました赤字8区間の見直しは、重要な課題であると認識しています。
このため、本年3月にJR北海道に対して発出した監督命令においては、徹底した利用促進やコスト削減などの取組を行いつつ、令和8年度末までに線区ごとに抜本的な改善方策を確実にとりまとめるよう求めているところです。
JR北海道が地域の関係者と協議の上、4日に公表した実行計画では、黄線区における更なる利用促進やコスト削減により、合計で35億円の収支改善を目指す目標が設定されたと承知しています。
目標の達成に向けて、JR北海道と地域の関係者が協力して取組を進めていくことを期待しています。
その上で、計画を確実に実行しつつ、抜本的な改善方策の議論についても、深めていただきたいと思います。次に幹線の維持についての後段の御質問ですが、在来線の鉄道ネットワークのあり方としては、JR会社法に基づく大臣指針において、JR上場各社に対し、現に営業する路線の適切な維持を求めているところです。
特に、特急列車、貨物列車が走行する我が国の基幹的鉄道ネットワークについては維持することが重要と考えています。
他方、大量輸送機関としての鉄道の特性が活かされていない路線については、鉄道事業者や地方公共団体など、地域の関係者が十分に議論を行い、地域や利用者にとって最適な形で、交通手段の維持・確保を図ることが重要だと考えます。
国土交通省としても、昨年、地域交通法を改正するなど、鉄道の再構築に向けた制度面・予算面の仕組みを整えたところです。
引き続き、利便性や持続可能性の高い地域公共交通が実現するよう取り組んでいきたいと思っています。

公営住宅の自動二輪車駐車場について

(記者)

バイクの駐車施策について、公営住宅の観点からお尋ねします。
平成18年の駐車場法の改正で、当時、住宅局はバイク駐車に関する指針を検討したのでしょうか。
15年以上が経過し、バイクの国内販売はグローバルの中で、唯一落ち込みを続けています。
こうした理由の一つに、公共住宅などへのバイク駐車の施策が不十分であることがあるのではないでしょうか。
四輪駐車の空きスペースを住宅整備課が認知しているのであれば、都市局のように転用することのガイドラインを示すべきではないでしょうか。
お考えをお願いします。

(大臣)

平成18年の駐車場法の改正に言及されましたが、この平成18年の駐車場法の改正の趣旨は、地方公共団体が、条例により、自動二輪車駐車場の附置を義務付けることができる仕組みを導入しましたが、その附置義務の主な対象は、百貨店など、不特定多数の利用が想定される建築物としています。
公営住宅における駐車場の整備については、地域の実情を踏まえて、事業主体である地方公共団体の判断で行われるものと考えており、国土交通省から、特段、自動二輪車の駐車場整備に関する指針などは発出していません。
なお、国土交通省としては、地方公共団体が公営住宅を整備する際に、併せて駐車場の整備をする場合には、その費用についても、社会資本整備総合交付金の対象として支援しているところです。
引き続き、地域の実情を踏まえ、公営住宅の入居者の利便性向上が図られるよう、地方公共団体の取組をしっかり支援していきたいと考えています。
 

(記者)

路外駐車場がいくらあっても、住宅そのものになければバイクの利用はできないと思います。
路外駐車場のような施策が、もう一度改めて伺いますが、必要ではないのでしょうか。
ガイドラインを示すことというのは必要ではないのでしょうか。

(大臣)

我々国土交通省も自動二輪車の振興には一生懸命頑張っているところです。
駐車場についてはしっかり整備されなければならないかと思います。
今の問題提起はいわゆる公営住宅の駐車場に二輪駐車場も整備するようガイドラインを作るべきではないか、という問題意識ですが、公営住宅ですので地方自治体で、その公営住宅に住んでいらっしゃる方の駐車場ということになります。
必要であれば地方自治体、公営住宅の置かれている状況において、十分公営住宅としてそこに二輪駐車場を作ることはもちろん可能でして、それに対して国も、先ほど申し上げたような交付金で援助をしているところです。
公営住宅は地方自治体の判断、その地方自治体が判断できれば二輪駐車場も置けるという体系になっていますので、あえて必ず作りなさいというガイドラインを国が示すのは、少し行き過ぎなのではないかと私自身は考えています。

ライドシェアについて

(記者)

先ほど、小泉(こいずみ)(しん)次郎(じろう)元環境大臣が自民党総裁選への出馬を表明しました。
その会見において「この30年間日本から世界で勝負する企業が出ないのも、既存企業が既得権益を守るため新規参入を阻もうとしているからで、この現状を打破するには聖域なき規制改革が不可欠です。その象徴がライドシェアです。誰でもいつでもどこでも安全で利便性の高い移動サービスを享受できるよう、ライドシェアを完全解禁します。」と述べました。
まずこのライドシェアの完全解禁について、改めて斉藤大臣としてどのようにお考えでしょうか。

(大臣)

今の小泉議員の総裁選への公約については、今初めて聞きましたので、今後、私の考えをまとめていかなくてはならないと思っていますが、今の御質問はライドシェアの完全解禁についての私の考え方ということです。
今回の問題の本質は、地方、全国、都心部も含め、移動の足の不足にどのように対応していくか、移動の足の不足を無くさなくてはならないということだと思います。
これは特に都市部においても一部時間帯等でタクシーが不足している、また地方における移動の足の不足、観光地における不足等があります。
それらに対応するために国土交通省としては「交通空白解消本部」を設置して、私が本部長になり、先頭になって今、交通空白の解消に向けて全力を挙げているところです。
地域の足、また業界という話もありましたが、業界の中でも私たちから何回も申し上げてきましたが、この御質問のライドシェアの全面解禁が運行管理や車両整備管理等について責任を負う主体を置かないままに自家用自動車の運転者のみが運送責任を負う形態の有償の旅客運送を意味しているのであれば、安全の確保、利用者の保護等の観点から問題があると考えています。
いずれにしても、今我々が直面しているのは移動の足の不足を解消すること。
そして大事なのは安全・安心、車両や運転手の安全・安心の確保、またその労働条件を守るということ。
その世界で働いている人たちがしっかりとした安全・安心な労働環境の中で働くということが大切だと思っています。
そういう意味で我々その2つを大切にしながら「交通空白解消本部」で今全力を挙げているところです。
ある意味では移動の足の不足を解消しなくてはならないという意味では問題意識を共有しているのではないかと感じます。
今の時点では全体を読んでいないので何とも申し上げられませんが、このライドシェアについての基本的な考え方、また国土交通省の「交通空白解消本部」の基本的な考え方を今申し述べたところです。
 

(記者)

関連して小泉進次郎氏が会見で、既存企業が既得権益を守るために新規参入を阻もうとしているとして、その象徴としてライドシェアについて名指しをしていますが、その上で聖域なき規制改革を掲げる、こうした手法は小泉(こいずみ)純一郎(じゅんいちろう)氏を彷彿させると思いましたが、こうした政治手法をどのようにお考えでしょうか

(大臣)

御質問に直接答えることにならないかもしれませんが、私たちはある特定の業界を守るとか、そういう姿勢で行政を行っているということは全くありません。
移動の足をしっかり確保していくこと、国民の利便性向上、そしてそこで働く人達がしっかりとした労働条件の下で安心して働くということももちろん非常に大切なことだと思っています。
そういう意味で、私たちが既得権益を守るという意識は全くありません。

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