平成21年2月16日
1 概要
○近時、いわゆるゼロゼロ物件などの住宅の賃貸業務や、家賃債務保証業務を巡るトラブルが発生していることから、これに関する実態調査を行いました。
○また、家賃債務保証業務に関しては、(財)日本賃貸住宅管理協会あてに、家賃債務保証業務の適正な実施の確保を要請する文書を発出するとともに、家賃債務保証の契約や業務の実施に当たって留意すべき事項を、国土交通省のHPに掲載しました。
○さらに、いわゆるゼロゼロ物件を含む住宅の賃貸業務や家賃債務保証業務の適正化のための方策を含めて民間賃貸住宅政策について、社会資本整備審議会住宅宅地分科会に設置した民間賃貸住宅部会(2月下旬に第1回部会を開催予定)において、検討を行うこととしています。
2 家賃債務保証業務の適正な実施の確保の要請について(別添1参照)
○家賃債務保証業務を行っている企業からなる賃貸保証制度協議会を設けている(財)日本賃貸住宅管理協会あてに、家賃債務保証業務の適正な実施の確保についての要請文を発出しました。
○要請文においては、下記3の実態調査の際に提出していただいた家賃債務保証契約書において法令等に違反する可能性のある条項(物件への立入り、開錠の阻害、物件内の動産の搬出・処分などの条項)が見受けられたことから、契約書の見直しの検討を含めて、業務の適正な実施の確保に向けて取り組んでいただくよう要請しています。
3 家賃債務保証業者の実態調査結果について(別添2参照)
○(財)日本賃貸住宅管理協会に設けられている賃貸保証制度協議会の会員に対して、保証契約の締結件数や相談窓口設置状況等を把握するために実施した調査の結果をとりまとめました。
○また、賃貸保証制度協議会の会員以外で家賃債務保証業務を行っている企業の数を把握するため、賃貸住宅の管理業者や仲介業者の団体等の協力を得て実施した調査の結果をとりまとめました。
○調査の結果把握できた63社については、賃貸保証制度協議会会員向けと同様の実態調査を今後実施する予定です。
○同様の実態調査は、今後も定期的に実施する予定です。
4 いわゆるゼロゼロ物件等を巡る相談等の実態調査結果について(別添3参照)
○「敷金ゼロ・礼金ゼロ」などをうたい文句とした賃貸住宅(いわゆるゼロゼロ物件)等における家賃回収方法等を巡る相談件数や相談内容を把握するために実施した調査の結果をとりまとめました。
○実態調査において、いわゆるゼロゼロ物件と判明している事例において具体的な事業者名が挙げられた1社について、2月にヒアリングを行ったところ、現在は、法令を遵守して業務を行っているとのことでしたが、今後も、継続的に業務の実施状況についてヒアリング等を実施していくこととしています。
○ゼロゼロ物件以外について名前の挙がった事業者についても、今後ヒアリング等を実施する予定です。
○同様の実態調査は、今後も定期的に実施する予定です。
5 社会資本整備審議会での民間賃貸住宅政策の検討について
○民間賃貸住宅政策について集中的かつ機動的に調査審議を行うため、平成21年1月13日、社会資本整備審議会住宅宅地分科会に民間賃貸住宅部会を設置しました。
○2月下旬に第1回民間賃貸住宅部会を開催する予定であり、今後、いわゆるゼロゼロ物件を含む住宅の賃貸業務や家賃債務保証業務の適正化のための方策や、退去時のトラブルなど民間賃貸住宅の紛争の防止・円滑な処理のための方策、良質な民間賃貸住宅の供給及び適正な維持管理のための方策等について、順次検討を行っていくこととしています。