令和6年7月23日
YKK AP株式会社より国土交通省に対し、同社が平成19年12月までに製造・出荷した一部の特定防火設備※1(片開き戸)について、申請仕様と異なる試験体を用いて遮炎性能試験※2を受け、国土交通大臣認定を受けていたとの報告がありました。
これを受けて、国土交通省は、本日当該大臣認定を取り消すとともに、改修の実施等の所要の対応を速やかに行うよう指示しました。 |
※1 火災の拡大を防止するため、防火区画及び外壁の開口部、避難階段の出入口部分等に用いられるもの。
※2 通常の火災による火熱が加えられたときに、一定時間加熱面以外に火炎を出さないことを確かめる試験。
1.事案概要
YKK AP株式会社が国土交通大臣認定仕様に適合しない特定防火設備(片開き戸)を平成19年12月まで製造・出荷していた事案について、国土交通省から同社に対し、原因究明等の調査を指示していました。(令和5年4月21日付報道発表)
これを受け、同社が調査を進めていたところ、当該事案に加え、同社が同時期に製造・出荷していた一部の特定防火設備(片開き戸)について、申請仕様と異なる試験体を用いて遮炎性能試験を受け、国土交通大臣認定を受けていたことが判明したと、令和6年7月16日に同社から報告がありました。
上記報告を受け、国土交通省から同社に対し、対象の特定防火設備の出荷先等の調査を指示したところ、同社から以下の報告がありました。
(1)大臣認定不適合の解消のために取得した、新たな大臣認定に係る遮炎性能試験(平成20年3月)において、申請仕様と異なる試験体を用いていた事案が判明したこと。
(2)上記の対象となる特定防火設備が設置されている建築物は、住宅等117棟(扉の数:981セット)で、平成8年4月から平成19年12月に取り付けられたものであること。(参考1)
(3)不正の内容は、ガラスをおさえる骨材の曲げ角度をガラスが脱落しにくいように変更するなど、合計7項目であったこと。(参考2)
(4)同社は、今後、対象の特定防火設備が設置された物件の所有者に速やかに連絡をし、建築基準法に適合させるための改修を行う方針であること。
2.国土交通省の対応
(1)大臣認定の取消
試験体不正が発覚した以下の大臣認定を本日付けで取り消しました。
大臣認定番号 :EA-0259
大臣認定日 :平成20年4月24日
構造方法等の名称:ペーパーハニカムコア充てん網入板ガラス入鋼製片開き戸
(2)YKK AP社への指示
特定防火設備(片開き戸)の遮炎性能試験における不正受験について、別紙のとおり、所要の対応を行うよう指示しました。
(3)関係特定行政庁への依頼
国土交通省は、関係特定行政庁に対し、物件リストを情報提供し、必要な対応を進めるよう依頼しました。
3.相談窓口
(1)YKK AP株式会社において、以下の相談窓口が設置されています。
【窓口】
○一般のお客様からのお問い合わせ先
YKK AP株式会社 お客様相談窓口
電話番号:0120‐84‐1134
受付時間:9:00~17:00(土日祝を除く) |
○建築・設計関係者様からのお問い合わせ先
YKK AP株式会社 ビル本部品質保証部
電話番号:03‐5610-8151
受付時間:9:00~17:00(土日祝を除く) |
(YKK AP株式会社における公表)
https://www.ykkapglobal.com/ja/newsroom/important-notice/20240723_2
(2)公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター(愛称:住まいるダイヤル)に次の消費者相談窓口を設置しています。
【窓口】
電話番号 0570-016-100(ナビダイヤル)
ナビダイヤル以外は03-3556-5147
受付時間 10:00-17:00(土日、祝休日、年末年始を除く)