平成26年7月4日
現在、計画されている北米発LNG(シェールガス)輸送が、拡張後のパナマ運河を経由することを視野に、この度、野上国土交通副大臣がパナマ共和国を訪問し、パナマ共和国・ロイ運河担当大臣、キハーノ運河庁長官、カステジャーノ海運庁局長と会談を行いました。併せて、米国テキサス州フリーポートを訪問し、日本のエネルギー企業が受取人となるシェールガス液化プロジェクトの進捗状況等について関係者と意見交換を行いました。また、米国のクルーズ拠点となっているフロリダ州を訪問し、関係者と意見交換を行いました。その結果は次のとおりです。
平成26年6月23日(月)~6月29日(日)
(1)パナマ国・ロイ運河担当大臣、キハーノ運河庁長官との意見交換(23日午後)
23日午後、パナマ運河庁を訪問し、同国ロイ運河担当大臣、キハーノ運河庁長官と意見交換を行いました。キハーノ運河庁長官より、拡張工事請負事業者によれば工事は2015年末に完成、2016年から使用できる旨、及び船幅制限については安全の観点から数年間は49mとしたい旨、説明がありました。
野上副大臣より、今後の更なる両国の海運の発展を目指すため、国土交通省、パナマ運河庁をはじめとする関係省庁、そして我が国海運業界も交えた海事政策対話を定期的に行うことの重要性を説明したところ、ロイ大臣、キハーノ長官共にその認識が共有され、パナマ政府の関係部局間でも調整を行うとともに、パナマ政府の閣僚人事が実施される7月以降、国土交通省海事局から対話に関する具体的な提案を行うことが求められました。
また、野上副大臣よりメトロ庁長官も兼任するロイ大臣に対し、モノレール事業(現在、JICAフィージビリティー調査中)について日本の技術と経験がパナマの発展に役立つ旨、申し入れたところ、ロイ大臣より今後のスケジュールについての説明がなされました。
(2)フリーポート社関係者との意見交換(26日午前)
26日午前、米国テキサス州のフリーポートLNGプロジェクトにおいて液化事業を行うフリーポート社を訪問し、同社の今後の液化設備等の整備計画の内容及びスケジュールについて、同社ゲリッチ契約管理・広報担当課長及び大阪ガス・中部電力現地責任者らと意見交換を行いました。
ゲリッチ課長からは、米国連邦エネルギー規制委員会の事業許可が7月17日に出される見通しであり、その後、液化設備の起工が行われ、大阪ガス・中部電力向けの日本へのLNG輸出は、2018年開始予定である旨、説明がありました。
野上副大臣より、日本にとって供給源の多角化による燃料調達費の削減は喫緊の課題であり予定どおり日本へのLNG輸出が可能となるよう関連施設の建設を着実に進めてほしい旨要請しました。
(3)パナマ海運庁カステジャーノ海運庁局長との会談(24日午後)
24日午後、パナマ海運庁カステジャーノ局長と会談を行い、海事分野における一層の協力関係の構築等について意見交換を行いました。
野上副大臣から、両国が船籍登録やIMOにおける活動で密接な関係を築いていることを踏まえ、海事分野での両国間の関係をより一層深化させるため政府間対話の設置について意見を伺ったところ、カステジャーノ局長からは、両国政府の意見交換の場の設置が有意義であり、運河庁と調整していきたいとの回答がありました。
(4)米国・マイアミ港及びエバーグレーズ港の港湾管理者等との会談(27日)
27日午前、全米第3位のクルーズ拠点であるエバーグレーズ港を訪問し、同港があるフロリダ州ブロワード郡のシャリフ郡長、同港のウィルシャー港湾局長らと会談し、パナマ運河拡張に対応したバースの拡張や大型船受入に必要な浚渫工事の計画、クルーズターミナルの整備状況について説明を受けるとともに、クルーズターミナル施設を視察しました。
また、同日午後、全米第1位のクルーズ拠点であるマイアミ港を訪問し、リンスキー副局長らの案内により、旅客取扱中のクルーズターミナル施設を視察するとともに、クルーズ港として成長が著しい現状やクルーズ会社との連携によるターミナル拡張戦略について説明を受けました。
(1)パナマ国・パナマ運河の現在の通航状況の視察(23日午前)
23日午前、パナマ運河の太平洋側の閘門(こうもん)であるミラフローレス閘門を視察し、船舶の通航状況及びオペレーションについて説明を受けました。
(2)パナマ国・パナマ運河拡張工事及びマンザニージョ港の視察
24日午前、パナマ運河の大西洋側の閘門であるガツン閘門及び隣接する拡張工事(第三閘門の建設)現場を視察し、工事の進捗状況について説明を受けました。また、パナマのハブ港として多数のトランシップ貨物を扱うマンザニージョ港を視察し、パナマ運河拡張に対応したビジネス戦略、港湾整備戦略について説明を受けました。
(3)米国・テキサス州ヒューストン港の視察
25日午後、外国貿易の港湾貨物取扱量が全米第1位のヒューストン港を視察し、パナマ運河拡張に対応したビジネス戦略、港湾整備戦略について説明を受けました。
野上国土交通副大臣のパナマ・米国出張について(PDF形式:380KB)
PDF形式のファイルをご覧いただくためには、Adobe Acrobat Readerが必要です。
左のアイコンをクリックしてAdobe Acrobat Readerをダウンロードしてください(無償)。
Acrobat Readerをダウンロードしても、PDFファイルが正常に表示されない場合はこちらをご覧ください。