平成20年5月23日
・独禁法適用除外制度
・WTO海運サービス交渉
・100%コンテナスキャニング
・環境問題
・港湾等の混雑問題
・船員問題
・GHG排出削減にかかるセミナー
・我が国から、EUの競争法適用が海運市場に与える影響を慎重に見極める必要がある旨指摘した。米国より、時期につき明言を避けながらも、EUでの国際海運への競争法適用後しかるべき時期に、海運市場への影響につき調査を実施するとのコメントがあった。結果、米国の調査及びその結果につき、CSGとの間で情報共有を行っていくこととなった。
・ノルウェー及び我が国より、WTO海運サービス分野に関し一切の自由化約束を行わない米国に対し、約束を行うことを要求した。米国より、交渉の余地が全くないわけではないとしながらも(Not closing the door)、政治的状況を踏まえると現在の消極的な立場を変えることはきわめて難しいとの回答があった。
・CSG各国より、2012年に発効予定の米国100%コンテナスキャニング法案の実現性や海運市場に与える影響につき強い懸念が表明された。米国より、各国の懸念を認識しつつ、今後大規模港(シンガポール、釜山、オマーン)で実施されるパイロットプロジェクトの結果(時期は未定)も踏まえ具体的な実施方策につき検討していくとの回答があった。我が国からも、保安対策の重要性を認めつつも円滑な物流を阻害する事態は避けるべきとして、スキャニングの実現可能性や効率性の観点からさらに検討を行う必要がある旨指摘した。
・米国より、IMOで策定したバラスト水管理条約に関し、議会に複数の法案が提出されていることの報告があった。米側もCSG側もバラスト水管理に関してはバラスト水中の微生物等を処理する技術の開発が重要であることが確認された。我が国からも、バラスト水処理装置の開発の重要性を指摘した上で、我が国が開発した技術が現在IMOで審査中であり早期の承認を期待している旨述べた。
・ECより、近年の物流量の増加に伴い港湾等において混雑の発生が問題となっていること及びその対策として、鉄道、道路を含めた物流施設の円滑な整備について検討している旨説明があった。我が国からは、港湾の混雑問題として、米のロサンゼルス港で提案されている運送トラックの入港制限に関し、トラックが著しく不足すると港湾内の円滑な貨物運送が阻害され混雑問題が発生することが懸念される旨指摘した。
・ギリシャより、国際海運市場において船員が不足していること、ISPS等、近年のセキュリティ規制強化が船員への負担をさらに増加させていることにつき懸念が表明された。
・CSG側より、インドネシアのターミナルハンドリングチャージ、ベトナムの貨物税、ベネズエラの貨物留保政策について懸念が表明された。
・US-CSG会合にあわせ、5月21日(水)午後に、国際海運からのGHG排出削減に係るセミナーが開催された。US-CSGメンバー及び海運業界等から約100名が参加した。会議では、日本、米国、EU、オランダ、デンマークのGHG担当者がパネリストとして参加し、IMOでの検討状況等につきパネルディスカッションを行った。我が国からは、大坪海事局安全基準課国際基準調整官がパネリストとして参加し、我が国がIMOに提案している実燃費指標に関する発表を行った。今回のセミナーでは、国際海運はエネルギー効率の優れた輸送モードであるものの地球規模の課題への対応のためGHG削減に向けた取り組みを行っていく必要があること、国際海運からのGHG排出削減に関してはIMOが最も適切な検討の場であること等が指摘されるとともに、今後、東京でのGHGワークショップ、オスロでのMEPC中間会合でさらに検討が深められていくことの期待が表明された。