平成28年12月7日
(1)OECD造船部会は、造船市場における公正な競争条件の確立(不当な政府支援の排除等)を目的として活動しており、近年では、各国政府の造船政策レビューの実施、政府支援施策一覧表の作成等、各国の造船政策の透明性の確保に努めてきました。
(2)近年、韓国において、経営不振に陥った造船企業に対し公的金融機関による巨額の金融支援が講じられているところ、前々回会合(昨年11月開催)及び前回会合(本年5月開催)では、我が国から、韓国における巨額の造船業支援が市場を歪曲させる可能性があるとの懸念を示し、今次会合でも議論を行うことが合意されていました。
(1)韓国における公的機関による造船業支援について
我が国から、韓国の公的金融機関と民間金融機関の融資等の傾向の比較に基づき、公的金融機関が市場原理に基づいた判断を行っているか否かについて問題提起を行うとともに、同国が設立した船舶購入ファンドについて、その支援対象の内外無差別性に関する情報が不足していることを指摘しました。他の国々からも韓国の公的支援による国際造船市場歪曲の懸念が示され、次回会合において引き続き議論することとなりました。
さらに、我が国から、各国の施策について深い議論を行えるように、政府支援施策一覧表等の取組を強化することの提案を行いました。我が国の提案は、複数の国から支持され、基本的方向性が合意されました。
(2)造船業における供給能力の解消について
今次会合においては、世界的な造船業における供給能力過剰の解消に向け、世界の造船市況を分析するとともに、各国の造船政策が供給能力の拡大や減少にどのような影響を与えるか等の分析を行った報告書につき、その最終化と公開に向けて、前々回及び前回に引き続き議論を行いました。
(3)OECD造船部会ワークショップについて
造船部会が創設50周年を迎える本年は、海事産業クラスターをテーマとするワークショップが開催され、各国の政府や産業団体等から約100名が出席しました。各参加者からは、自国の海事産業クラスターの歴史や特徴のほか、海事クラスターの更なる発展に向けた取り組み等が紹介され、参加者により活発な議論が行われました。
我が国からは、大坪新一郎海事局技術審議官が、関連産業が集積している日本の海事産業クラスターの特色等を紹介するとともに、造船部会の50年の歴史の中で、造船市場における正常な競争条件の確保は不変の課題であること、また、そのために造船部会が引き続き尽力していくことの重要性などを述べました。
OECDインストルメントの改訂、低環境負荷船の普及促進施策等について議論が行われました。なお、次回会合(第124回)は、2017年4月18日(火)及び19日(水)に開催予定です。
報道発表資料(PDF形式:141KB)
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