平成24年3月30日
国土交通省では、新技術の研究開発及び実用化を加速することにより、下水道事業におけるコスト縮減や再生可能エネルギー創出を実現し、併せて、本邦企業による水ビジネスの海外展開を支援するため、下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)を実施することとしました。 この度、[1]下水汚泥固形燃料化技術、[2]下水熱利用技術(未処理下水の熱利用に限る。)、[3]栄養塩(窒素)除去技術(水処理に係る技術は除く)、[4]栄養塩(リン)除去技術(水処理に係る技術は除く。回収技術を含むことは可。)に係る革新的技術について、実規模レベルのプラントを設置して実証を行うため、事業の提案を募集し、下水道革新的技術実証事業評価委員会による厳正な採択審査を行い、実施事業を以下の通り決定しましたので、お知らせします。 |
※ B-DASHプロジェクト:Breakthrough by Dynamic Approach in Sewage High Technology Project
1.決定した実施事業
(1) 「温室効果ガスを排出しない次世代型下水汚泥固形燃料化技術」
実施者:長崎市・長崎総合科学大学・三菱長崎機工株式会社 共同研究体
実証フィールド:長崎市東部下水処理場
事業概要:連続式水熱反応器および高速消化槽を用いて生成した消化ガスを利用して
消化汚泥を固形燃料化することによるコスト縮減効果や再生可能エネルギー
創出効果等を実証する。
(2) 「廃熱利用型 低コスト下水汚泥固形燃料化技術」
実施者:JFEエンジニアリング株式会社
実証フィールド:松山市西部浄化センター
事業概要:焼却炉廃熱利用による下水汚泥固形燃料の低コスト製造や、製造燃料の
焼却炉利用による補助燃料の削減等によるコスト縮減効果や省エネルギー
効果等を実証する。
(3) 「管路内設置型熱回収技術を用いた下水熱利用に関する実証事業」
実施者:大阪市・積水化学工業株式会社・東亜グラウト工業株式会社 共同研究体
実証フィールド:大阪市海老江下水処理場
事業概要:管更正組込方式の管路内設置型熱回収技術によるコスト縮減効果や
省エネルギー効果等を実証する。
(4) 「固定床型アナモックスプロセスによる高効率窒素除去技術に関する技術実証事業」
実施者:熊本市・地方共同法人日本下水道事業団・株式会社タクマ 共同研究体
実証フィールド:熊本市東部浄化センター
事業概要:汚泥処理の返流水等からの窒素除去に、固定床方式を用いた高効率な
アナモックス反応技術を適用させることによるコスト縮減効果や省エネルギー
効果等を実証する。
(5) 「神戸市東灘処理場 栄養塩除去と資源再生(リン) 革新的技術実証事業
-KOBEハーベスト(大収穫)プロジェクトー」
実施者:水ing株式会社・神戸市・三菱商事アグリサービス株式会社 共同研究体
実証フィールド:神戸市東灘処理場
事業概要:消化汚泥からのリン除去回収技術の高効率化によるコスト縮減効果や得られた
リン資源の利活用等を実証する。
2.審査方法
提案された事業は、あらかじめ定めた審査基準に基づき、学識者からなる「下水道革新的技術実証
事業評価委員会」において、提出された応募資料を審査し、上位事業を選定しました。この審査結果
をふまえて、この5者の提案事業の採用を決定しました。
3.その他
前述の5事業は、実証フィールドとなる下水道施設を管理する地方公共団体の協力を得て連携を図
り実施します。