平成22年6月25日
国土交通省港湾局では、港湾整備に必要な沖合の波浪情報を取得するためGPS波浪計を設置しています。このGPS波浪計は、地震発生時には津波の観測も可能であることから、既に8基の観測データを気象庁へ提供しています。
この度、7月1日より新たに3基のGPS波浪計の観測データを、気象庁へ提供することになりましたので、お知らせします。
平成20年度に設置した3基のGPS波浪計(岩手北部沖、福島県沖、静岡御前崎沖)の観測データについて、7月1日より気象庁への提供を開始します(別紙1)。これにより、稼働中の全11基のGPS波浪計観測データが気象庁へ提供され、津波観測情報として活用されます。これにより津波観測体制の強化が期待されます。
GPS波浪計とは、GPS衛星を用いて沖合に浮かべたブイの上下変動を計測し、波浪や潮汐等を観測する機器です。地震発生時には沖合での津波観測も可能であることから、現在稼働11基中8基の観測データを気象庁にリアルタイムで提供し、気象庁が発表する津波観測情報で活用されています(別紙2)。これにより、沿岸域での防災対策にも広く活用されているところです。
今年2月27日にチリ中部沿岸で発生した地震による津波が日本沿岸に到達した際には、8基全てのGPS波浪計が津波波形を捉え、気象庁が発表した津波情報の中でも活用されました。
(1)今回のGPS波浪計と併せて、港湾局所有の室蘭港(北海道)と多度津(香川県)検潮所の観測データも、気象庁へ提供を開始します。
(2)稼働中のGPS波浪計の観測データは、リアルタイムナウファスのWebサイト(別紙3、http://www.mlit.go.jp/kowan/nowphas/)で公表しています。
(3)今後は、平成22年1月に徳島竹ケ島沖に設置したGPS波浪計について、稼働開始に向けて初期設定を行ないます。稼働開始後、気象庁において観測情報活用に向けた検討が行われる予定です。また、今年8月には、東北地方の日本海側に新たなGPS波浪計を3基設置予定です。
(別紙1)GPS波浪計観測地点一覧(PDF形式:192KB)
(別紙2)GPS波浪計を活用した沖合波浪観測について(PDF形式:264KB)
(別紙3)リアルタイムナウファスのWebサイトについて(PDF形式:218KB)