平成21年10月22日
2009年9月30日2時48分(日本時間)サモア諸島南方を震源としたマグニチュード8.3の地震による津波は、サモア諸島に大きな被害を及ぼした。
独立行政法人 港湾空港技術研究所は、10月12日~21日の10日間、特に大きな被害のあったサモア独立国を対象にして、国土交通省港湾局の依頼により緊急調査団を派遣し、国際調査団の一員として、津波の痕跡を測定することにより来襲した津波の高さを明らかにするとともに、住民からの聞き取りにより津波の来襲状況を把握した。調査結果の概要は、以下のとおり。
1.被害の概要
・島の東部では、強固な教会やレストランなどは破壊されずに一部が残っていたが、ほとんどの建物が破壊され、ある村では、建物の鉄筋が入ったコンクリート製の柱も根元から折れているものがあった。
・南西部は浸水被害が多く、弱い建物では局所的な損壊は見られるものの、生活はほぼ普段通りに戻りつつあった。
2.津波高調査結果
・被害の大きかったウポル島の南海岸を中心に調査し、島の東部から南東部側で大きく、西側に行くにつれて小さくなっており、東部では,浸水高で6~8m程度であった。
・遡上(津波が到達した)範囲は、海岸からすぐに小高くなっているところでは汀線(海岸線)から数十mであるが、被害の大きい島の東部では、平坦地のため200mから300mまで津波が内陸へ遡上した。
3.避難に関する住民への聞き取り調査結果
・ほとんどの人は津波を見てから内陸の丘に逃げていた。
・警報は政府から教会に伝達され,教会の鉄製のリングを鳴らして伝えるようになっていたが、その鐘よりも先に津波を見て逃げた人も多かった。
・避難訓練を実施していた村では避難所が判っており,避難の際の手助けになった.
※詳細は、別添を参照。