平成27年9月11日
【国土交通省及び高速道路会社が管理する橋梁の検査について】
○ 京都府内の国道24号勧進橋の落橋防止装置等の溶け込み溶接部において不良
が確認されたことを踏まえ、各地方整備局等及び高速道路会社は、工事受注会
社からの情報提供を基に、過去5年間の耐震補強・補修工事の中で久富産業(株)
の溶け込み溶接製品を使用した橋梁の特定作業を行ってまいりました。
○ 現時点で同製品を使用していることが判明した橋梁は、各地方整備局が管理する
橋梁で72橋、高速道路会社が管理する橋梁で20橋の合計92橋(速報値)となっ
ています。(別紙1の通り)
○ これらの橋梁について、速やかに溶け込み溶接部の健全性を検査するとともに、
検査の結果、不良と判明した部材については、速やかに補修を行うよう、所定の
手続きを進めてまいります。
なお、検査は足場設置等の作業を伴うものもあるため、全ての検査が完了する
には1ヶ月程度の期間を要する見込みです。
○ なお、落橋防止装置とは、想定を越えるような大きな地震動により、これらの地震
にもある程度耐えるよう設計されている支承などが万一破壊した場合でも、上部
構造が落下するような致命的な状態とならないためにフェイルセーフとして設置し
ているものであり、仮に溶接不良となる製品が用いられていた場合でも日常の通
行に支障はありません。
○ 一方、過去5年間より前の工事で久富産業(株)の溶け込み溶接製品、及び、久富
産業(株)以外の溶け込み溶接製品を使用した橋梁についても、溶接部の健全性
の検査を工事受注会社の協力等により一部で実施し、本事案の影響範囲の特定
作業を進めてまいります。
○ さらに、今後、原因究明、再発防止策を検討していく中で、橋梁の溶接部に対する
非破壊検査の実施方策等について検討してまいります。
【地方公共団体等が管理する橋梁等について】
○ また、久富産業(株)及び(株)北陸溶接検査事務所に対しては、過去に携わった工
事に関する資料の提出を求めてまいりました。現時点で提出されている資料にお
ける、国土交通省・高速道路会社以外の発注機関は別紙2の通りです。
これを受け、地方公共団体及びその他関係機関における過去5年間の久富産
業(株)の溶け込み溶接製品を使用している橋梁の特定に向け、2社から提出のあ
った工事関係資料を9月7日に情報提供したところです。
今後とも、引き続き、地方公共団体やその他関係機関に対して関連情報の提供
などを行い、実態把握が進むよう取り組んでまいります。
[久富産業(株)資料における工事件数] 172件(平成23年1月~)
[(株)北陸溶接検査事務所資料における工事件数] 234件(平成22年4月~)
63件(平成20年9月~22年3月)
※両社から提出のあった資料は、工事毎に整理されたものであり、1つの工事で複数の橋梁が含
まれる場合もあることから、各発注機関での確認が必要である。
○ さらに、今回の事態を受け、8月31日に、(一社)日本橋梁建設協会、(一社)プレ
ストレスト・コンクリート建設業協会、(一社)全国建設業協会に対しても、久富産業
(株)が製作した製品を使用した工事について、傘下の会員に調査して頂くなどの
協力要請を行っています。
【原因究明と再発防止に向けて】
○ 今後とも、久富産業(株)、(株)北陸溶接検査事務所、ショーボンド建設(株)に対して
追加のヒアリング等を実施するなど、引き続き、事実関係を確認するとともに、原
因究明と再発防止に向けて取り組んでまいります。
記者発表資料(PDF形式)
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