平成22年3月16日
今月5日に発表した「総合評価落札方式の透明性の確保等に関する改善策」に引き続き、入札契約制度の改革はできるものから順次実施していくという観点から、企業の経営評価、下請企業対策の2点について、以下のとおり改善の方針を取りまとめました。
1.企業の経営評価に関する改善の方針
(1)経営事項審査制度
公共工事に参加する企業の経営を事前に評価する「経営事項審査」について、ペーパーカンパニー等が不正に高得点をとることの防止を主眼に、企業実態をより公正に評価できるよう、次の取り組みを進めます。
[1] 一括下請負による完成工事高の嵩上げなど現場レベルでの不正を排除するため、立入検査など現場での監督を強化
[2] 利益の水増しなど実態のない虚偽申請を排除するため、虚偽申請の疑いのある企業の抽出を強化するとともに、重点審査を実施
[3] 技術者数評価のあり方、再生企業の取扱い、社会性評価項目(W点)のあり方などの審査基準について、中央建設業審議会における検討を踏まえて見直し
(2)入札ボンドの拡大
市場機能を活用したリアルタイムの企業評価を進めるため、入札前に履行の確実性を金融機関が保証する「入札ボンド」の対象工事の拡大に取り組みます。
[1] 国土交通省直轄工事において、入札ボンドの対象工事をこれまでのWTO対象工事から、原則としてBランクの工事まで拡大
[2] 地方公共団体等にも導入・拡大を働きかけ
2.下請企業対策に関する改善の方針
多くの労働者が働く下請建設企業へのしわ寄せを防止する観点から、次の取り組みを進めます。
[1] 契約の明確化・対等化を図るため、書面による契約を徹底するとともに、標準請負契約約款について、中央建設業審議会における検討を踏まえて改正
[2] 信託の活用や支払ボンドなど、諸外国における下請保護方策を参考にしつつ、我が国における新たな下請代金保全策の導入を検討
[3] 元請の入札前の見積りの適正化や下請への適切な支払いを促進するため、下請企業の見積りを踏まえた入札契約方式を試行
[4] 違法行為等に厳格に対応するため、地方公共団体との連携を強化し、違法行為等に対する取締り、指導監督を強化
3.これらの取り組みについては、4月以降、できるものから順次実施していく予定です。