平成21年3月30日
近年の暴力団等の反社会的勢力は、組織形態を隠蔽し、証券取引や不動産取引などの経済活動を通じて資金獲得活動を巧妙化させ、その活動実態を不透明化させており、これまで以上に、経済活動や国民生活からの反社会的勢力の排除の必要性が高まっています。また、平成19年6月には、政府において「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」(犯罪対策閣僚会議幹事会申合せ)がとりまとめられたところです。
とりわけ、不動産取引に関しては、今日においても、バブル経済期に社会問題化したような、暴力団とのつながりを背景とする事業者による悪質な地上げ行為、暴力団への資金提供が生ずるなど、反社会的勢力の関与や被害が見られています。このような実態は、取引の対象となる財が高額であることや換金性が高いことを始めとした不動産取引の特性にも起因していると考えられます。
また、不動産取引には、このような関与のリスクが常に伴っており、万一、関与された場合には、不動産が国民の住生活や経済活動の基盤であり、その不動産自体やその取引に関わる事業者の活動が社会に及ぼす影響が大きいことなどから、その損害等の影響は、取引に携わる事業者のみならず、様々な利害関係者に広く及ぼされることになります。
このような背景のもと、平成21年1月19日に、不動産取引からの反社会的勢力の排除のあり方を検討する目的で「不動産取引からの反社会的勢力の排除のあり方検討会(座長:渡辺晋弁護士)」を設け、弁護士、学識経験者、不動産取引に関わる業界団体等の参画を得て、不動産取引の特性や反社会的勢力の関与のリスク、不動産取引からの反社会的勢力の排除の必要性を整理、確認しつつ、排除のあり方を検討してきたところであり、この度、その検討状況についてとりまとめが行われましたので、お知らせします。
今後は、本とりまとめを足がかりとして、関係各者と連携の下、不動産取引からの反社会的勢力の排除に向けて、具体的な検討、取組を進めていくことになります。
不動産取引からの反社会的勢力の排除のあり方検討会 委員名簿(PDF形式:90KB)
不動産取引からの反社会的勢力の排除のあり方検討会 -とりまとめ-(PDF形式:274KB)
「不動産取引からの反社会的勢力の排除のあり方検討会とりまとめ」のポイント(PDF形式:265KB)
「不動産取引からの反社会的勢力の排除のあり方検討会とりまとめ」の概要(PDF形式:188KB)