[検討の背景]
我が国は、現在、人口減少社会を迎えており、鉄道分野においても、運転士や保守作業員等の鉄道係員の確保、養成が困難になってきています。特に経営環境の厳しい地方鉄道においては、係員不足が深刻な問題とな っています。
このため、鉄道事業者においてはより一層の業務の効率化・省力化が必要となっており、その一環で運転士の乗務しない自動運転の導入が求められています。また、自動運転化により、従来、運転業務を行っていた乗務員 が乗客へのサービス提供や車内のセキュリティの向上等、鉄道に対する多様化・高度化するニーズにも対応する ことが可能となります。
[検討の方向性]
鉄道における自動運転は、これまで人等が容易に線路内に立ち入ることができない新交通で実現されており、 踏切のない高架構造等であること、駅にはホームドアがあること、自動列車運転装置が設置されていることなどの要件が技術基準等で定められています。 一方で、踏切等のある一般的な路線では、安全・安定輸送の観点から 導入されていません。
本検討会では、このような一般的な路線を対象として、センシング技術やICT、無線を利用した列車制御技術などの最新技術も利活用し、鉄道分野における生産性革命にも資する自動運転の導入について、安全性や利便性の維持・向上を図るための技術的要件の検討を行うものです。
検討会