平成26年3月14日
公共工事の積算にあたっては、標準的な工事価格が算定できるよう実態調査を行い、その結果を反映した各種積算基準を整備しています。
今回、土木工事の積算基準については、維持修繕工事が新設工事に比べ手間がかかり、人件費や機材のコストも割高になりやすいこと等を考慮し、「橋梁補修用歩掛の新設」「維持修繕用歩掛の改定」「間接工事費率の見直し」を行っています。加えて「地盤改良用歩掛の新設」を行うほか、施工実態の変化が確認された工種について既存歩掛の改定を行います。
また、東日本大震災の被災3県(岩手県、宮城県、福島県)においては、建設機械損料の割増しを行うとともに、被災3県の現場状況を反映した専用の積算基準(復興歩掛)を策定しておりましたが、施工状況を考慮し、「建設機械等損料の割増し率の見直し」及び「東日本大震災の被災地で適用する土木工事標準歩掛の改定」」を行います。(別紙参照)
設計業務等共通仕様書(案)、電気通信施設設計業務共通仕様書、測量業務共通仕様書(案)、地質・土質調査業務共通仕様書(案)については、各種基準類の改定等を踏まえ、一部改定を行います。
1.維持修繕工事等の標準歩掛等の新設・見直し
土木工事標準歩掛は、土木請負工事費の積算に用いる標準的な施工条件における単位施工量当り若しくは日当りの労務工数、材料数量、機械運転時間等の所要量(歩掛)について工種ごとにとりまとめたものです。
社会インフラの老朽化に対応するため橋梁補修用の歩掛として「断面修復工」「ひび割れ補修工」「表面被覆工」の3工種を新設します。また維持修繕に関する歩掛のうち「切削オーバレイ工」「道路除草工」「堤防除草工」の改定を行います。維持修繕以外では、「中層混合処理工」の歩掛を新設するなど、全体で37工種の改定を実施します。
建設機械等損料算定表については、基礎価格や維持修理費等の見直しを行い、損料を全機械平均で2%UPしています。
2-1.間接工事費率の見直し(施工箇所が点在する工事の積算)
施工箇所が点在する工事については、建設機械を複数個所に運搬する費用や交通規制等がそれぞれの箇所で発生するなど、積算額と実際にかかる費用に乖離が考えられるため、これまで「直径5km程度以上を越える点在範囲については、別箇所として扱い、箇所毎に間接工事費(共通仮設費、現場管理費)の算出する」こととしていました。
今回、維持修繕工事等の施工箇所の点在における適正な予定価格の算定等のため、「直径1km程度以上を越える点在範囲については、別箇所として扱い、箇所毎に間接工事費(共通仮設費、現場管理費)を算出する」こととします。
また、変更契約において、新規工事箇所の追加(工事原価まで官積算100%)を認めることとします。(新規工事箇所が入札不調・不落となった箇所であり、既契約工事の主たる工種に該当することを基本とする。)
2-2.間接工事費率の見直し(小規模施工用の間接工事費率を設定)
維持修繕工事における小規模な施工箇所の点在等の支出実態に整合した間接工事費を設定するため、小規模な工事の間接工事費率の引き上げを行います。
3.工事一時中止に伴う費用の算定方法の見直し
一時中止費用の支出実態を踏まえ、常駐人件費を考慮し、基本計上費用(土木一般世話役×中止日数)を追加計上し、現行の経費率についても20%割増しを行います。
4.東日本大震災被災3県専用の積算基準の一部見直し
及び建設機械等損料の補正率の見直し
東日本大震災の被災3県(岩手県、宮城県、福島県)では、早期復興に向け大規模な復旧・復興事業が推進されています。被災3県で行う土木工事については、工事量の増大による資材やダンプトラック等の不足状況を考慮し、日当たり作業量の10%補正を行っていましたが、施工実態を踏まえ、土工における日当たり作業量の補正を10%から20%にします。
また建設機械等損料についても、維持修理費の3%補正を行っていましたが、施工実態を踏まえ、補正率を3%から5%に見直しを行います。
5.施工パッケージ型積算方式の単価改定
施工パッケージ型積算方式については、平成24年10月1日以降試行を開始し、平成25年10月1日から拡充を行い209のパッケージを導入しているところです。既に導入している施工パッケージ単価について、資材、労務、機械経費の物価変動に伴う標準単価および機労材構成比の改定を行いました。改定後の単価は、「平成26年度 施工パッケージ型積算方式標準単価表」「平成26年度 東日本大震災の被災地で適用する施工パッケージ型積算方式標準単価表」として、国土技術政策総合研究所HPに掲載します。 (http://www.nilim.go.jp/lab/pbg/theme/theme2/theme_sekop.htm)
6.設計業務等の共通仕様書(案)の改正
設計業務等共通仕様書(案)、電気通信施設設計業務共通仕様書、測量業務共通仕様書(案)、地質・土質調査業務共通仕様書(案)については、各種基準類の改定等を踏まえ、一部改定を行います。
【別紙】平成26年度土木工事積算基準改定概要(PDF形式:657KBKB)
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